何故私は彼女を殺し、その肉を食らったのか。

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002| 私に関する覚え書き
 私の名前はユカ。ハンドルネームはアネモネ。一九八八年三月十四日生まれ、二十四歳。第一子にして長女。自分の名前は好きではない。
 両親の馴れ初めは知らない。一度、母に尋ねたことがあるが、答えようとはしなかった。二十歳の頃に戸籍謄本を見て、両親がデキ婚だったことを知った。何故母がいつも不機嫌だったのか、何故母がいつも私に当たり散らしていたのか、そのとき初めて合点した。ああ、私が出来たせいで結婚しなければならなかったのか、中絶してくれればよかったのに、と心の底から思った。
 きょうだいは弟と妹がひとりずつ。弟は重度の発達障害で、私や妹の目の前で平然と自慰行為に耽る。見られることによって興奮するのではなく、他社の存在を意識出来ないのではないかと思われる。弟と口を利くことはない。関わり合いになりたくない。
 一方、私と妹は幼い頃から仲が良く、小学生のときにはキスをした。しかし今は絶縁状態。両親に顧みられることのなかった妹は唯一の庇護者として私を求めただけだったのだろう、私の愛情を試すように無理難題を押しつけるようになった。一緒に出かけたいと言って私にバイトの休みを取らせ、いざ当日になると、妹は友達を呼びだして「なんでお姉ちゃんがついてくるの」と私を邪魔者扱いする。そんな理不尽なわがままに私がキレたからだった。
 話を私自身に戻す。小学校六年生のとき、将来の夢というものを抱けなくなった。夢だけでなく目標も、持つことが出来なくなった。何をしても無駄に思えた。ただ、金持ちにならなければいけない、という強迫観念だけがあった。十代の頃から風俗勤務、まるでホストにハマるようにネット上の有料ゲームにハマった。いわゆるネトゲの類いではなく、創作文芸系の同人サークルが主催するTRPGのオンラインセッションだった。
 TRPGとは、テーブルトーク・ロールプレイングゲームの略である。テレビゲームの中にRPGと呼ばれるジャンルがあるが、そのシナリオ進行役を人間が務め、ダイスを使った判定と参加者同士の会話によってゲームを進めていくものがTRPGと呼ばれている。それをネット上で行うのが、オンラインセッションというわけだ。
 乃木菜月とは、そのサイトで知り合った。
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