何故私は彼女を殺し、その肉を食らったのか。

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001| このブログについて
 私はいかにして殺人を犯し、肉を食らうに至ったか。
 それを記述するために、このブログを開設した。
 とはいえ私の回顧録を人に見せるつもりはない。私の犯行は完璧だ。法の裁きを受けることなく、理解も誤解もされることなく、人の手の届かない場所に彼女とともに行ってやる。書き残すのは、刻むためだ。他社の記憶の中にではなく、死にゆく私自身の中に、誰にも触れられることのなかった己自身の痕跡を刻むためだけに書いている。
 ブログに投稿した記事はすべて非公開状態になっている。
 国内だけでも数千万のブログが漂うこのご時世、無名の個人の開設した非公開記事の内容を覗き見る者はいないだろう。
 このテキストは消え失せる。私の死後十年も経たないうちに消え失せる。人目に留まることもなく、記憶に残ることもなく、ブログを運営している企業の経営上の事情から、保存中のデータはすべて消え失せてしまうだろう。だから私は書き残す。これは自分に宛てた遺書だ。
 なお、万一の場合を考えて、テキスト内の固有名詞はすべて仮名に置き換えた。凶悪事件の捜査のために国内のウェブサービス上のデータファイルを一斉検索されることがないとは言い切れないからだ。
 私の彼女に対する愛は、誰にも触れさせはしない。
「腐女子の起こした凶悪事件」「現実と空想の区別がつかない痛いオタクの起こした事件」「メンヘラ腐女子の電波レズ」「愛ゆえのカニバリズム殺人」……そんな風に矮小化させるつもりなどないからこそ、私はすべての真実をこの世に置いていくのだ。
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Copyright © 『アンチ・シンデレラ』 白木紅愛・作. all rights reserved.
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