何故私は彼女を殺し、その肉を食らったのか。

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015| 私とひとつになれる女
 MVPの発表から三日後、如月凛はブログを更新した。
 受賞に対する喜びの記事を、そこにアップしたのだった。
 喜び、というより自慢だった。過去のキャンペーンシナリオの使用キャラを列挙して、その功績を書き立てる。挙げ句「キャラクターから一言」と称し、シェラフィータの口調で自分語りをおこなう始末。痛い。ウザい。というか目障り。しかし彼女の勘違いぶりは、この程度では終わらなかった。
「ところで。自キャラが強姦されたり自殺したりするような内容の小説をアップして人気を取ってる人がいるようですが、ああいうのはどうかと。生臭くネガティブなことを書けばリアリティのある作品になる、みたいな勘違いが鼻について私は賞賛する気にはなれません」
 打ち上げオフでの如月凛、その仏頂面を思い出す。
 オフでは何も言えなかったくせに、ネット上ではこの態度。
 苛々する。おまえに私の何が分かる。私の内面を捏造するな。おまえの尺度で私を語るな。私は人気者になりたくて小説を書いたわけじゃない。リアリティやクオリティを追求しているわけでもない。そんな余裕なんてなかった。書かずにいられなかったから書いただけ、苦しくて悲しくて文字を吐き出さずにはいられなくて、結果的に書いてしまっただけだ。私だってアウレーリアにあんな結末は与えたくなかった。だけど幸せな結末なんて、私には考えられなかった。幸せな結末を想像する、それが何より辛かった。だからあらゆる可能性を自分自身の手で壊した。可能性があることに私は耐えられなかったのだ。何故なら可能性というものは、正の方向だけでなく負の方向にも無限大に広がっているのだから。アウレーリアがこれ以上損なわれるのが嫌だったから、私は自分自身の手でピリオドを打ったのだ。
 眠れないからオナニーした。だけど何故かイケなかった。触手の群れに凌辱されるシェラフィータの姿を想像しても、いつものように興奮出来ない。いつものように突き抜けられない。
 公式サイトに掲載された彼女のイラストを思い出す。
 プロレベルの画力を有するサークル専属絵師による、シェラフィータの可憐な笑顔。癖のある銀髪を肩の辺りまで伸ばした少女が、すべてを歓迎するように両手を広げ、微笑んでいる。なんて偽善的なんだろう。美しいのは上辺だけ、可憐なのは上辺だけ、彼女を存在せしめたのは性悪デブスのコンプレックスだ。
 かつて匿名掲示板で容姿叩きを受けたとき、私はこんなことを思った。「容姿を評価されたくて参加しているわけじゃない。創作物と演技だけで評価されるべき場所において、それ以外の要素を持ち出し執拗に貶すのは、敗北宣言同然だ」。今、私は如月凛を性悪デブスと罵っている。つまりは敗北宣言だ。如月凛とシェラフィータに私の居場所は奪われた。いや、居場所なんてものじゃない。私の存在そのものを、彼女たちは脅かす。性悪デブスと二次元偽善者、そんな劣悪な存在によって私のすべてが損なわれる。なんて惨めな敗北なんだ。
 私は結局、奴らと同じだ。私を中傷した奴ら。私のキャラの活躍を「女だから贔屓されてるだけ」とか「ブスのくせに」とかこじつけて、プライドを保とうしている奴ら。自分の居場所を奪った女をコミュ障デブスと見下してみたり、「私だってこの界隈での活躍実績さえあれば」なんて証明しようのない空想でifの世界に逃げてみたり、私のこのメンタリティはクズのような奴らと同じだ。
 だけど私は如月凛を一度も中傷していない。
 いくら嫌悪していても、いくら見下していても、本人の前ではそれを出さず、笑顔で相手を立てていた。だから唯一の無法地帯、私の空想の中でだけは、シェラフィータをどんな風に扱っても許される。
 すべてを歓迎するように両手を広げ、微笑む少女。
 無防備なその手首に赤黒い触手が絡みついた。
「やぁッ、何、これは……」可憐な笑顔が凍りつく。
 本能的な恐怖を感じ、シェラフィータは逃げようとした。
 しかし体が動かない。いくら足に力を込めても腕が固定されていて、一歩たりともその場から移動することが出来ない。触手はまるで蛇のようにするすると腕に巻きついて、肩をなぞり、腋を伝い、衣服の中へと侵入する。少女はひっと声を上げ、触手を振り払おうとした。そんな彼女を嘲笑うように新たな触手が二本、現れ、スカートの裾から伸びる両足首に巻き付いた。足首からふくらはぎへ、ふくらはぎから太腿へ、絡みついた触手の先がスカートの奥を目指してゆく。
「ああ……、こんな……」
 四肢の動きを封じられ、聖女は魔法を使えない。
 お得意の綺麗事も、知能を持たない触手には一言たりとも通じない。
 腕に絡みつく触手の先が、小ぶりな乳房を撫で回す。粘着質な分泌液を聖女の素肌に塗りたくり、滑るようになめらかにその先端を弄ぶ。足に絡みつく触手の先が、薄い下着の脇から中へ、ピンクの割れ目を何度もなぞる。シェラフィータの可憐な顔が、嫌悪と羞恥で歪んでゆく。触手の動きは止まらない。震えるように激しく蠢く四本の先端が、少女のもっとも敏感な場所を執拗に擦っている。
「やめ……、あ、あ……」
 新たな触手が次々と聖女の手足に絡みつく。赤黒い触手の群れが白い手足を這い上る。その先端が目指す場所は、先客の群がるピンクの粘膜。聖女シェラフィータは悲鳴を上げた。聖女として、英雄として人々に愛されたシェラフィータも所詮はただの夢見がちな少女、このような刺激には不慣れだった。しかも相手は醜い化け物。決して許容出来ない相手に体の自由を奪われて、こちらの意思などお構いなしに、恥辱と快楽を与えられる。シェラフィータは混乱していた。今にも泣き出しそうな顔で、拒絶の悲鳴を何度も上げる。
 不意に触手が大きく動き、少女を宙に持ち上げた。
 逆さ吊りになった聖女の足を、群がる触手が左右に広げる。
「いやぁ……、ああ……、お願い、誰か……」
 少女は度を失って、己の仲間に助けを求めた。
 大きくはだけた胸元からは白い乳房が顔を出し、慎ましやかな長いスカートは捲れ上がって腹まで丸見え、その奥の下着すらも群がる触手に押し退けられ、決して見せてはならないはずのピンクの秘肉を晒している、そんな姿でシェラフィータは仲間の名を呼び続けた。
 泣き叫ぶ少女の目の前に、新たな触手が現れる。
 イボのような突起のついた、ひときわ野太い触手だった。
 何。これは何。あまりにもグロテスクなその姿に、少女は声も出せなかった。触手は少女の頬を撫で、首から胸へ、胸から臍へ、下半身へと進んでゆく。犯される、とは思わなかった。この醜い化け物が自分の体をそんな風に使うとは思えなかった。ただ、とてもおぞましいことが起こることは理解出来た。悲鳴を上げることすら忘れて聖女は未知の恐怖に震える。
 群がる先客を押し退けて、極太触手が天使のような少女の秘肉を貫いた。まるで雷に打たれたように、シェラフィータの背が仰け反った。聖女は目を大きく見開き、苦悶にその身を震わせる。彼女の秘肉を抉るように、極太触手がのたうった。彼女自身すら触れたことのない秘密の穴の奥の奥まで、醜い触手が蹂躙する。人々に愛された聖なる少女は涙と涎を垂れ流し、踏み潰された蛙のような無様な喘ぎを何度も上げた。
 普段なら、ここでイケるはずだった。
 だけどやっぱり今日はイケない。
 私の腹の奥で渦巻く形を持たない黒い何かが、この程度では済まされない、この程度では満たされない、もっと大きな出口を開けろと言わんばかりに私を縛る。
 処女の肉にありつけなかった雑魚のような無数の触手が、代わりの穴を求めて蠢く。かつては綺麗事を吐いた口、今は涎と無様な喘ぎを垂れ流すことしか出来ない口に触手がするりと入り込み、少女の最後の抵抗を封じた。もう悲鳴すらも上げられない。極太触手に処女肉を奪われた触手の一本が、その後ろのすぼまった排泄用の穴を貫く。
「んッ、ん、んんん……」
 触手に塞がれ開き切った少女の淡い唇が震えた。涎が泡のように溢れる。しかし知能を持たない触手は獲物の意思など関知せず、小刻みにその身を震わせながら少女の穴という穴を抉る。周囲で蠢く触手の群れはまるで涎を垂らすように、粘着質な分泌液を滴らせながら粘膜を擦る。胸の頂の淡い突起も、真珠のような陰核も、小さな排泄用の穴も、赤黒い触手の群れがむしゃぶりつくように蹂躙する。
 聖女の青い神経を、分泌液が侵食する。
 化け物の体液は、潤滑油としてだけではなく媚薬としても機能する。闇の世界の生態系、善悪を越えた自然の摂理が聖なる少女の中に潜む雌としての本能を急激に呼び覚ましてゆく。
(この感覚は、いったい何……?)
 体の芯が裂けるような苦痛の中で何かが疼く。
 初めて味わう感覚だった。いや、違う。これまでも知っていた。ソコが気持ちいいことは、なんとなくだが、知っていた。しかし触れてはならないことだと真面目な彼女は思っていた。すでに知ってはいたものの、気づかないフリをしていたのだ。そんな少女の性感を、触手の群れが呼び起こす。三つの穴を同時に犯され、三つの突起を同時になぶられ、さらに小さな排泄用の穴まで触手に愛撫され、聖なる少女は神経が焼き切れるような快楽を味わっていた。
(気持ちいい。こんな気持ちいいの、初めて。相手は化け物なのに……決して受け入れてはならない存在なのに……私はこの化け物から人々を守らなければならないのに……、なのに、気持ちいい。すごく、すごく気持ちいい。ダメ、こんなのダメ。抵抗しなきゃいけないのに。皆を守らなきゃいけないのに……)
 シェラフィータの素肌が上気する。
 玉のような大粒の汗が、震える体を伝い落ちる。
(ダメ、気持ちいいなんて思っちゃダメ。化け物なんかに自分の体を好き勝手にされて、こんなこと、許しちゃいけないんだから。抵抗しなきゃ。皆のために。私、戦う力を持たない人々の希望にならなきゃいけないんだから……。でも、でも気持ちいい、触手の動きが気持ちいいの。すごく持ちよくて、ダメ、気持ちよさに負けちゃダメなのに……、でも、でも……気持ちよすぎて、私……)
 少女の変化に呼応するように、触手の動きが激しさを増した。
 もっと気持ちよくなりたい。本能に突き動かされるまま、少女は腰を突き出した。これが終わったら、抵抗するから。化け物に屈したりしないから。だからあと少しだけ、この快楽に浸らせて。そう自分に言い訳しながら、聖女は己の過敏な性器を蠢く触手に擦りつける。すべての触手が激しく震えた。気持ちいい。シェラフィータは恐怖を感じた。これ以上気持ちよくなったりしたら、恥ずかしいところが壊れちゃう。そんなのイヤ。恥ずかしいところが壊れたら、皆に顔向け出来なくなっちゃう。だからダメ、これ以上は絶対ダメ。しかし彼女の意に反し、性器はさらなる快楽を求める。もっとも気持ちのいい場所を自ら触手に擦りつけ、快楽を貪るように前後左右に揺り動かす。淫らに動く己の腰を、聖女の意思は止められない。聖女の性器は触手のもたらす未知の快楽に屈していた。
 脈打つように跳ねながら、触手の群れが痙攣した。
 三つの穴の奥の奥、肉の襞の隅々まで、触手がくまなく震わせる。
「んッ、んッ、んんんんん!」
 性器を触手に差し出すように、彼女の体が仰け反った。
 少女の肢体が痙攣する。触手も痙攣し続ける。
 聖なる少女は化け物によって生まれて初めての絶頂を迎えた。
 しかし触手は止まらない。彼女の子宮の奥の奥まで抉り取ろうとするように極太触手が大きくのたうつ。絶頂に震える女の穴に周囲の触手が一斉に群がる。目一杯まで広がった窮屈な穴に潜り込むべく、過敏な肉を押し広げ、隙間に入り込もうとする。化け物によって絶頂感を教えられたシェラフィータは、大小さまざまな五本の触手に膣内を犯されようとしていた。しかし狭い肉穴に触手は五本も入らない。股をさらに広げるべく、触手が少女の両足を左右にぐっと引っ張った。
「んんんーーーーー!」
 ばり、と嫌な音がして、聖女の股が大きく裂けた。
 生まれて初めての絶頂に打ち震える女性器が、化け物のもたらす絶頂のさなかで生きながらにして引き裂かれた。まるで餌に食らいつくように、触手の群れが裂け目に飛びつく。触手は裂けた腹に潜り、臓物もろともファックする。聖女の体が何度も跳ねる。絶頂の余韻なのか、断末魔の悶絶なのか、それは誰にもわからない。乳房の間が盛り上がる。白い素肌を突き破り、極太触手が現れた。聖なる少女は絶頂のさなか、触手に股を引き裂かれ、串刺しにされて息絶えた。
 シェラフィータの無惨な最期を想像しながら私はイッた。
 気持ちいい。私を蔑ろにした男の大切にしているものを破壊するのはなんて、なんて、なんて、なんて、なんて気持ちがいいんだろう。
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